戸山の原 1920(大正9)冬
Toyama Plain, Tokyo

老女を化粧と譬へられた冬の月を画かうとして、省線の電車を大久保駅で降りた私は、戸山の原へと急ぎました。
今暮れたばかりですのに、あまりの寒さに人通りも絶えて、森の彼方の火影微かに、冬枯れの木立も物凄く、月は青白い光りを投げて居りました。